Salesforce(セールスフォース)の項目変更履歴は、特定のレコードの編集内容を履歴に残して記録できる機能です。蓄積された変更履歴を管理しておくことで、過去のデータが一目でわかり、業務改善につなげることもできます。
本記事では、Salesforceの項目変更履歴の設定と確認方法、利用時の注意点についてわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧いただき、Salesforceの項目履歴管理にお役立てください。
Salesforce(セールスフォース)の項目変更履歴とは
Salesforceの項目変更履歴とは、特定のレコードに対して誰がいつどのような内容で変更を行っているかを追跡できる機能です。項目変更履歴を有効化することで、選択したレコードが更新されたときの内容を確認することができます。
項目変更履歴で確認できる変更内容は次の5つです。
- 日付(編集した日付・時間)
- 項目(編集が行われた項目名)
- ユーザー(編集者)
- 元の値
- 新しい値
Salesforceの項目変更履歴を利用することで、管理者が編集ミスやデータ上の問題をいち早く発見できます。効率よく作業を進めるために有効な手段の一つですので、ぜひ設定方法から確認していきましょう。
Salesforce(セールスフォース)の項目変更履歴の設定方法
1.「設定」から「オブジェクトマネージャー」を開き、「項目とリレーション」を選択して画面右上の「項目履歴管理の設定」をクリックします。
2.「(取引先)履歴の有効化」にチェックを入れましょう。
※()には選んだオブジェクト名が入ります。
3.更新履歴を追跡したい項目にチェックを入れ、「保存」をクリックすれば完了です。
※履歴の追跡は、保存日から適用されます。保存日以前の変更は含まれないのでご注意ください。
標準オブジェクトとカスタムオブジェクトを合わせて、最大20項目まで項目履歴を選択して追跡することが可能です。
追跡ができない項目の種類
次の項目は履歴管理の対象外となるため、追跡ができません。
- 数式項目、積み上げ項目、または自動採番項目
- 【作成者】および【最終更新者】
- 商談の【期待】項目
- 項目の【マスタソリューション名】または【マスタソリューション詳細】項目
項目変更履歴を設定する際は、よく確認しておきましょう。
Salesforce(セールスフォース)の項目変更履歴を確認する方法2つ
Salesforceの項目変更履歴で選択した項目の変更内容を確認する方法は以下の2つです。
- 関連リストを追加して確認する方法
- レポートを作成して確認する方法
どちらの方法も、利用するためには事前に準備が必要です。それぞれを設定する手順について、詳しくご紹介します。
1.関連リストを追加して確認する方法
まずは、関連リストを追加して確認する方法をご紹介します。
1.オブジェクトマネージャーのページレイアウトから、対象となる「ページレイアウト名」を選択しましょう。
2.「関連リスト」として(取引先)履歴をドラッグ&ドロップで追加し、最後に「保存」をクリックします。
※「保存」をクリックしたときに、「ユーザー関連リストのカスタマイズを上書きしますか?」と表示される場合は、「はい」を選択してください。
以上の手順で、関連リストから変更履歴の確認ができるようになります。
【関連リストからの確認画面】
2.レポートを作成して確認する方法
次に、レポートを作成して確認する方法の手順をご紹介します。
1.レポートから「新規レポート」をクリックします。
2.レポートタイプ名から「(取引先)履歴」を選択して「レポートを開始」をクリックします。
3.必要に応じて検索条件などを設定し、「保存&実行」をクリックします。
4.「レポート名」は必須で入力し、そのほかの項目は状況に応じて入力しましょう。最後に「保存」をクリックして、レポート作成は完了です。
以上の手順で、レポートを作成して確認することができるようになります。
【レポート作成からの確認画面】
Salesforce(セールスフォース)の項目変更履歴を設定する際の注意点
Salesforce(セールスフォース)の項目変更履歴を設定して、履歴管理を行う際の注意点をご紹介します。
あらかじめ理解しておくことで、設定時や利用するときのトラブル回避につながります。よく確認しておきましょう。
項目履歴管理の設定には権限が必要
項目履歴管理(追跡する項目を決める)を設定する場合は、「アプリケーションのカスタマイズ」のユーザー権限が必要です。項目履歴管理の設定を行う際は、権限が付与されているか確認しておきましょう。
保存期間が決められている
項目履歴データの保存期間は標準で18〜24か月です。API経由の場合に限り、最大24か月間データが保持されます。
期間を延長したい場合は、オプションで項目監査アドオンを購入すると、標準期間を超えてデータを保存することが可能です。
追跡できる項目数に上限がある
追跡できる履歴の項目数には上限があり、標準オブジェクトとカスタムオブジェクトの項目を合わせて最大20個まで選択することができます。
また、追跡できる履歴には項目数だけでなく、データ項目の種類にも制限があるため、設定前に必ず確認しておきましょう。
カスタムオブジェクトで履歴管理する場合は追加の設定がある
カスタムオブジェクトで項目履歴管理をする場合は、追加で行う設定があります。追加の設定は次の2つです。
- 「項目履歴管理」にチェックを入れる
- 「レポートを許可」にチェックを入れる(レポートから確認したい場合)
対象のオブジェクト詳細ページで、上記2つにチェックを入れます。この設定をしていないと、変更履歴が正しく追跡されません。
カスタムオブジェクトで履歴管理をする際は、忘れずに行ってください。
Salesforce(セールスフォース)の項目監査履歴との違い
Salesforceで標準機能として提供されている「項目履歴管理」とオプションで利用できる「項目監査履歴」には、以下のような違いがあります。
機能 | 項目履歴管理 | 項目監査履歴 |
保存期間 | 18か月API経由で最大24か月 | 18か月アーカイブ後は制限なし |
追跡可能な項目数(オブジェクト) | 最大20項目 | 最大60項目 |
使用できるエディション | すべて使用可能 | ・Enterprise Edition・Performance Edition・Unlimited Edition |
項目監査履歴は、標準機能である「項目履歴管理」の制限を拡張して利用できるオプション機能です。追跡したい項目を増やしたり、データの保存期間を延長したりする場合に役立ちます。
基本的な設定手順は、項目履歴管理と同じです。項目監査履歴での取得データはSalesforceのデータストレージには含まれないため、保管場所が消費される心配を気にせずに利用が可能です。
項目監査履歴を利用して長年のデータを蓄積することで、顧客データを遡って調べたいときや、個人情報の保護、改ざんや不正行為への抑止効果につながるため、ガバナンスの強化が期待できます。
まとめ
今回は、Salesforce(セールスフォース)の項目変更履歴の設定方法や確認方法、注意点について解説しました。項目変更履歴を有効化して履歴管理を実施することで、特定のレコードに対し、いつどのように変更されているかを確認したり、記録に残したりすることができます。
万が一、誤った内容で編集された場合でも、すぐに対応ができるため、業務への負担や影響を抑える効果も期待できます。Salesforceの項目履歴管理を積極的に活用して、作業効率アップを目指しましょう。
項目履歴の設定や追加方法、使い方に困っている方は当社にてサポートさせていただきますのでお気軽にお問い合わせください。